Tabula Rasa

産業食品廃棄物とエネルギー

産業食品廃棄物とエネルギー

「エコスマ」ではイベントごみの削減に取り組んでいます。主にワンウェイ食器の削減やごみの分別、そして資源化に焦点を当てています。しかし、出てしまったごみにも焦点を当てるべきであると思っています。現場での活動の中で「食品廃棄物」もひとつの課題になっていました。そこで、タブララサのスタッフがこの課題に向き合い、食品廃棄物の適切な処理方法を模索し、その実現性や環境への影響を理解するために、関連業者の処理施設を訪れました。


こんにちは!スタッフのゆうかです^^
近年問題視されている食品廃棄物について、みなさんどのくらい知っていますか?

「食品ロス」「フードロス」といった単語で耳にすることも多いですよね!

日本では、食べられる部分の廃棄物が「食品ロス(フードロス)」で、野菜の芯や魚の骨など食べられない部分も含んだ廃棄物が「食品廃棄物」と呼ばれるそうです!私も今回知りました。

ちなみに、消費者庁の公表によると日本の食品ロスは年間でおよそ523万トン…東京ドームの体積で例えると約4.5杯分…想像もつかない量ですが、実際にこの日本で1年間にそれだけの食品が食べられることなく捨てられてしまっています。

食品廃棄物をエネルギー変えるバイオディーゼルについて

産業食品廃棄物をエネルギー変える事業を行っている、バイオディーゼル岡山株式会社さん(https://www.dowa-eco.co.jp/BDO/)にお邪魔してきました!


廃棄された食品や油を有効活用し資源として再利用する仕組みについて知るべく、バイオディーゼル岡山さんのもとへ!!おっきい設備がたくさんある会社見学、わくわくです!!
ここでは、2つの事業を行っています。
1つ目の「廃食油からバイオディーゼル燃料を作る事業」は、学校やスーパーから回収し、バイオディーゼル燃料として車両燃料や焼却炉・ボイラーの燃料として有効活用されています。再生燃料を使って走るバス、私も以前見たことがあります!ただしそういった車両は減少傾向とのことで、今は焼却炉・ボイラー向けに販売することが多いようです!

食品廃棄物から電力を作る事業

2つ目の「食品廃棄物から電力を作る事業」は、小売店や食品工場などから出た食品廃棄物からバイオガスに分解し発電する事業です。

通常、食品工場から出た原料廃棄物や調理残渣は、肥料や飼料として再生されることが多いのですが、それは100%動物の口に入っても大丈夫なことが前提とのこと。食品を包むビニールや紙が少しでも入っていたらNG!これではスーパーやコンビニで出た廃棄物はいちいち袋から出してチェックしないといけませんよね…

バイオガス発電までの工程

バイオガス発電への再生利用ではその必要が無いんです!!施設を見学させてもらったので、その時の様子と一緒に流れを見てみましょう!

  1. 受け入れた食品をトラックからそのまま受け入れホッパーにin!!破砕機で袋を破いて選別機にかけます。
    選別機ではざっくりと食品とごみが分けられます。
    包装などのごみだけ出てくる!おもしろい…!
  1. 分別されたその食品をメタン発酵させます。ここではメタン菌に食べさせる準備をしているところ。温めて2日間水と混ぜることでメタン菌の餌になるそうです。
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  1. メタン発酵槽です!約30日間でメタンを主成分とするバイオガスに分解されます。メタン菌は食品のみを食べるので、残ったプラスチックなどのごみは浮いてくるそうです。発酵ごの廃棄物は後程焼却します。メタン菌にも好き嫌いがあって、炭水化物を真っ先に食べるらしいです。次がタンパク質、野菜は最後とのこと。なんかかわいいですね笑
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  1. バイオガスをエネルギー源にして発電しています!

年間約1万6,000トンの食品廃棄物をエネルギーへ

 バイオディーゼル岡山さんは年間約1万6,000トンの食品廃棄物を受け入れしています(2021年時点)。焼却処分すると処理時にCO2を排出してしまうところ、バイオマス発電であればカーボンニュートラルに。こうして食品廃棄物をただ焼却処分するのではなく、再生可能エネルギーとして活用する方法を岡山では選択することができるのです。

バイオディーゼル岡山さんの視察はへぇ~がいっぱいでとても面白かったです!将来の発電を担っていくカーボンニュートラルなエネルギーに期待が高まりますね!


タブララサでは、イベントで出るごみを正しく分類して、再生できる部分はなるべく活かしていきたいと考えています!バイオディーゼル岡山さんにイベントで出る食品ごみや使用済み油を引き取っていただけないかとご相談したところ、前向きなお返事をいただきましたー!イベントの食品ごみが活用されるところを早く見たいです!楽しみ!!