Tabula Rasa

西川キャンドルナイトって、西川の何なんだろう

今年の開催で15年目となることを機に「西川キャンドルナイト」の歴代メンバーが、それぞれの「西川キャンドルナイト」を語るシリーズ第3弾です。

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第一回目から「西川キャンドルナイト」に関わっていた、なおです。岡山を離れてもう5年目になりますが、毎年この時期になるとソワソワします。「GWは西川キャンドルナイト」が、身体に馴染んでいるようで 笑。

ところで。岡山県笠岡諸島の一つ、白石島で行われる盆踊り「白石踊り」で、毎年、港から会場までの路地にタブララサがキャンドルコーディネートをさせてもらっています。
「白石踊り」は、源平合戦で亡くなった兵士を弔うために始まった踊りで、800年の歴史があるとか。昔を思わせる衣装をつけた踊り手さんたち、囃し手や太鼓の響きによって「白石踊り」が繰り広げられる島の浜辺。そのずっと先の海の向こうの本州岸には、キラキラ輝く瀬戸内コンビナートが見えていて。明らかに違う時間の流れの存在を感じるこのひと時に、いつも不思議な感覚になります。800年変わらず(いや、少しずつ変化しているけど、ほぼ変わらず)続けられている「白石踊り」と、800年の間に目まぐるしく変わり続けた本州と。

前置きが長くなってしまいましたが、1回目から「西川キャンドルナイト」にかかわった1人として、イベントが続くことってすごく嬉しいことだな、と思う理由はここだと思って。

「西川キャンドルナイト」主催者側のはじまりの思惑は、シンプルでした。
「岡山市の観光資源として、西川緑道公園を活用したい」。
岡山駅と観光名所「後楽園」のちょうど間に位置する西川緑道公園は、岡山市民でさえ「ちゃんと歩いたことはないけど、あるのは知っている」くらいの残念な存在でした。私もその1人。でも歩いてみると、街の中心部にもかかわらず水と緑があり、とても気持ち良い散歩道。しかも周辺には素敵な飲食店も集まっている。「このリソースを有効に使うにはどうしたら良いか」というのが、岡山市観光協会からタブララサに出されたお題でした。

そこで当時大学生だった現副理事長の忠澤(忠(ちゅう)君)が「これだ!」と持ってきた案が「キャンドルナイト」。全国に広まりつつあった取り組み「100万人のキャンドルナイト」を岡山でもやってみよう、という案でした。
妄想得意なタブララサメンバー各々の頭の中に「ほわわわ〜ん」とキャンドルで彩られる西川の画が浮かび、、、。さらに「100万人のキャンドルナイト」の取り組みは、環境配慮の意味を含んでいるということから、「それがいい!」と即決となったわけです。

でもイベントは一過性のもので、「岡山市の観光資源」になるためには力不足。それを解決するには先が長そうだ、とも思っていました。すぐに策は浮かばないけど、「まずはたくさんの人に西川緑道公園やその周辺エリアを知ってもらうイベントとして開催、毎年開催することで西川に人が集まる習慣を作ろう」、というような話を観光協会の方々やラサメンバーたちとしたと思います。
たくさんの人に来ていただく時期を見極めようと、1回目は春休みの期間中まだ寒い3月に開催し、その次はお盆に真夏の4夜連続開催(若気の至り)。そして気候の良いGWに落ち着きました。

当時は、西川の名物イベントにするために、「何がなんでも毎年開催せねば!」という思いが強かったのを覚えています。「毎年GWは西川キャンドルナイト」っていう習慣を作りたかったのだと思います。当時のメンバーと「もし10回続けられたらすごいよね」と話していたら10回目を迎えて、「20回続いたりして」なんて話していたら、もうそれも目の前。すごいことです。

西川緑道公園周辺の様子は15年前に比べたら、当然変わっています。これからも、変化を続けていくのでしょう。それが前に進んでいくということなのかもしれない。
でも、見た目は変化するけれど、変化しないものを続けていくことはできる、ということをイベントを継続することで気付きました。

「西川キャンドルナイト」は1年に1度のイベントだけど、毎年同じ時期に決まってそこに現れる。
毎日みんなそれぞれ違う時間を過ごしているけど、「西川キャンドルナイト」では、キャンドルの灯りを見ながらゆったりした時間を過ごせる。
ライフステージも変わり、住む場所も変わり、今年は行けないけど、そろそろ「西川キャンドルナイト」の時期だなぁ、と思い出して家でキャンドルを灯してみる。

365日の中のたった1日のイベントなんだけど、それが毎年続いているということは、たくさんの人の関わりが生まれていることに加え、「西川キャンドルナイト」という変わらない西川のひと時を作り続けていることなんだな、と思います。
イベント運営に中心的に(必死に)関わっている時はあまり気づかなかったけど、今岡山を離れて数年経ち、それでも続いている「西川キャンドルナイト」のことを考えると、そんなふうに思います。

そうして、もしかしたら30回目を迎えて、50回目も開催して、何十年も続いちゃったりして。
「5月だから岡山にキャンドルナイトを見に行こう」って岡山の観光名物なったりして。
800年前から続く「白石踊り」を見て「ああ、素敵だな」と思う現代人の私のように、「西川キャンドルナイト」に来て、「なんか良いなぁ」と思う未来の人がいたら、すごく嬉しい。
毎回西川にキャンドルが灯った瞬間や、イベントの合間にキャンドルロードを歩いた時、たくさんの人たちが写真を映していたりする姿を見て「あぁ、やっててよかったな」ってちょっぴり達成感みたいなものを感じていました。自分の住む街にあったらいいなと思う空間は、自分たちの手で作ることができるんだ、という気づきとか、何かステキな時間を作り出してみたい人が一歩を踏み出すきっかけに「西川キャンドルナイト」がなるとしたら、それもさらに嬉しい。

さてさて、今年の17回目、とっても楽しみです(決してプレッシャーをかけているわけではないですよ 笑)。


(大好きなアジアンリゾートみたいな空間を作りたくて、そんなコーディネートにしてみたVol.2とVol.3。そういうの考えるのが楽しかったなー。)

なお
タブララサ3代目りじちょー。現在は、都市開発の構想策定、都市テーマの雑誌制作に関わる。2017年より東京在住。

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※5/13に、 新型コロナウィルス「まん延防止等重点措置」が岡山県に適用されたことにより、下記の開催は中止となりました。状況が落ち着きましたら開催する予定です。日程は改めてお知らせいたします。(西川キャンドルナイトスタッフ一同)

西川キャンドルナイト Vol.17
場所:西川緑道公園 野殿橋周辺(岡山駅より徒歩5分)
日付:2021年5月22日(土)
時間:夕暮れ〜21時

西川キャンドルナイトWeb サイト