岡山市内各地区における特産品を活用したB級グルメと地域活性化
~B級グルメで繋がる輪!~
岡山一宮高校B級グルメ研究グループ
1 アイデアの概要・コンセプト
全国の人気B級グルメを、味付け・食感・意外性・地域性の項目に分け調査・分析し、人気の出る要素を析出した。それをもとに岡山市内の各地元食材を使用した岡山市ならではのB級グルメを開発しようと考えた。
2 アイデアの着想点・提案理由・提案の背景
近年、B級グルメの大会、B-1グランプリがテレビや新聞など各メディアで多く取り上げられたくさんの人々に注目されている。そこで、私達は、岡山一宮高校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)課題研究で、地域活性化の視点から、B-1グランプリに出場した地域の特徴とその後の経済効果について注目した。
過去7年間のB-1グランプリ出展料理の順位・素材と観光客数の変化を公式HPで調べ、一覧にまとめた。各都道府県のホームページを参考にして、過去11年間の観光客数の変化を調べた。新聞検索サイト、「朝日けんさくくん」で10位以内に入賞したB級グルメに関係する新聞記事のヒット数を年度ごとに調べた。GIS(地理情報システム)を使って各地域の緯度・経度を出し、地図上にB級グルメの分布を表した。その分布から地域的特徴と素材の関連性を調べた。
写真1.地域地理科学会でのポスター発表
(資料割愛)
〈まとめ〉
・B級グルメは東北・東海・北九州に多く、逆に東京都・大阪府などの都市にはない。
・B級グルメは各地域の地形を活かした食材を使用したメニューが多い。
・観光客数の増加と新聞掲載数の増加が伴っていることから、B級グルメはその地域のPRに貢献している。
以上の分析結果を元に、B-1グランプリで上位入賞した全国のB級グルメを調べ、人気のB級グルメに共通する要素をまとめた。岡山市内の4ヵ所の地域に注目し、そこの名産の食材を使用した岡山のB級グルメを開発しようと考えた。
表1.人気B級グルメの共通点
|
富士宮 |
厚木 |
横手 |
甲府 |
蒜山 |
八戸 |
味 |
ソース |
味噌 |
ソース |
甘辛タレ |
味噌 |
醤油、塩、
味噌 |
食感 |
コシのある麺 |
ぷりぷり |
もちもち麺 |
コリコリ(砂肝)
プチッ(きんかん) |
もちもち麺 |
つるつるもちもち |
意外性 |
いわしの削り粉 |
他のホルモンとは違うビジュアル |
トッピングの目玉焼きと福神漬 |
普通のモツ煮と違う照り(汁気無し) |
かしわ肉 |
汁と煎餅 |
地域性 |
富士山の湧き水、
専用の蒸し麺 |
地元の食肉センターで処理(新鮮) |
地元の製麺所の専用角麺 |
甲府独自の食文化
(蕎麦屋の定番) |
蒜山高原
キャベツ |
八戸地域の馬肉、魚 |
・富士宮…富士宮やきそば(静岡県富士宮市) ・厚木…厚木シロコロホルモン(神奈川県厚木市)
・横手…横手やきそば(秋田県横手市) ・甲府…甲府鳥もつ煮(山梨県甲府市)
・蒜山…ひるぜん焼そば(岡山県真庭市) ・八戸…八戸せんべい汁(青森県八戸市)
3 提案する具体的な事業内容
・御津・建部地区 《ピオーネチーズ大福》
御津・建部地区ではピオーネが栽培されている。
ピオーネは岡山を代表する果物です。岡山の甘いピオーネとあんこ、チーズを、ピオーネジュースを練りこんだお餅で包んだ大福です。ジューシーなピオーネと甘いあんこ、塩味のきいたチーズがマッチします! また、建部地区では酪農も行われている。
・一宮地区 《桃まん》
一宮地区では清水白桃が特産。
岡山の桃といえば清水白桃!ありそうでなかった桃まん。甘辛く煮た桃が入った「ピリ辛桃ソース」の桃まんはクセになる!桃の味が生かされた「桃ジャム」の桃まんはおやつにぴったり
・藤田地区 《レタス巻きの串刺し》
岡山市の藤田地区ではレタス・れんこん・たまねぎが特産。
ひき肉とれんこん・たまねぎを醤油や味噌などで甘辛く炒めた具をレタスで一口大に丸く巻いて、串に刺す。シャキシャキとした食感が活かされます!
・玉柏・牟佐地区 《黄ニラのカルツォーネ》
岡山市の玉柏・牟佐地区では黄ニラが特産。
大きく刻んだ黄ニラを練りこんだピザ生地に、黄ニラとミートソース・チーズを円状に伸ばした生地にのせ半分に折り、フォークの背で生地の縁をおさえ縁をふさぎ、オーブンで焼く。黄ニラの甘みが生地とソースから染み出し、とろとろのチーズと絡み合います!
上記の4つのうち2つを実際に試作した。以下はそのレシピである。(レシピ割愛)
御津・建部地区 《ピオーネチーズ大福》
一宮地区 《桃まん》
4 アイデアの実施・運営方法、地域との連携方法
・まず、今回私たちが試作したメニューのほかに、まだ原案の段階であるメニュー(レタス巻きの串刺しなど)を市内のクッキングに関する部活動・科に協力を依頼し、具体的なレシピを製作してもらう。地元をよく知る高校生にB級グルメのレシピ開発を依頼することで、よりその地域に合ったB級グルメの製作が期待できる。
・開発した商品を平成26年度に文化祭など外部の人に食べてもらえる場で出品し、試食してもらう。
感想や改善点を見つけ、その中でより商品化できるものをピックアップする。
・平成27年度に名産品を利用した各地域の農協に依頼し、地域特産B級グルメとして売り出す。
・商品化の際は主役になる食材(桃、ピオーネ、黄ニラ)を現地の農家、市場から調達するので運送費の節約になる。メニューで使う食材は加工するので、 見た目が少々悪いものでもよいので安くゆずってもらう。この2点で食材のコストダウンを図る。
5 期待される効果
「地域の特産品を使ったB級グルメ」
(短期的な効果)
・名産品の地域の高校生にレシピ製作を依頼することで、高校生が地域について考える機会ができ地域との連携が深まる。
・この提案では、地域の食材を加工するので、普通は傷んでそのまま売ることができず、捨てられて無駄になる食材を有効利用できる。
(長期的な効果)
・地域の人の意見を聞きながらレシピを改良していくことで、ただの創作グルメではなく、その地域に根ざしたB級グルメが完成されていく。
・地域の新しい名物になる。B級グルメを食べるためにその地域へ来る人ができることで、観光客数の増加、地域の活性化につながる。
6 このアイデアにかける思い
あるB級グルメのレシピが特定の地域で、地域の人々の意見を取り入れながら改良し人から人へと繋がっていく。また、人から人へ伝わるほどにB級グルメが完成され、それと同時に地域内での人の輪も広がっていく。そのようにして温かな地域を作り上げられると思う。
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